
便秘症の判断基準
便秘症に判断基準はあるの?あなたのお腹は「スッキリ」している?
このページを読んで、お通じ状態をチェックしてみましょう。
監修 横浜市立大学附属病院 中島淳先生
普段生活をしていく中で、ご自身やご家族が「もしかしたら便秘かも」と気になったことはありませんか?
このページは、
・ご自身が便秘かどうか知りたい方
・お通じはあるけどイマイチスッキリしていない方
に向けたページです。
以下の解説を読んで、便秘症の正しい判断基準を理解していきましょう。

便秘症の判断基準とは?
まずは、便秘症の判断基準を解説していきます。あくまでも目安ですので、実際にはかかりつけ医に相談しましょう。
下の図は、便秘症の判断基準をイラスト化したものです。便秘症かどうかを判断するためには、何回トイレに行ったか(お通じの回数)と排便したときの状況が手掛かりになります。
便秘と聞くとお通じの回数が少ないことをいうと思われがちですが、回数だけではありません。
コロコロ便や硬い便(図2参照)や、強くいきまないと排便ができない (過度の怒責)、排便後もまだお腹の中に便が残っているような感じがする (残便感 )、1 回の排便で少量しか出ず何回もトイレに行ってしまう(頻回便)、腸や肛門に閉塞感がある(排便時の肛門閉塞感)などの排便困難感の有無も判断のポイントです。

お通じの回数をチェックしてみよう!
次に、普段のお通じの回数をチェックしてみましょう。ここ1週間のお通じ回数を振り返ってみてください。
目安は、週に3回以上のお通じの有無です。
もしお通じの回数が3回未満なら、便秘症と判断されてしまうかもしれません。
とはいえ、3回以上のお通じがある方でも、下記の「排便したときの状況をチェックしてみよう!」の項目に当てはまる方は便秘症と判断される可能性が高くなります。

便の形状をチェックしてみよう!
次に、排便時の便がどんな形をしているのかを確認し、腸の健康状態をチェックしましょう
お通じの際に強くいきむ必要のある方は、便の形状がどうなっているか確認したことがありますか?普段気にしていない方は、スッキリした健康的な排便をするために、便の形状も大きく関わっていることを覚えておきましょう。


この図は、便の形状を7段階に分けたものです。
理想的な便は、上の図の4番です。はっきりとしたシワのある柔らかいバナナ状の便を出した場合、スッキリ感があり腸が健康的な状態であるといえるでしょう。またこの時が1番QOL (Quality of Life:生活の質)の状態も良いといわれています。

逆に1~2番のような硬い便の場合、いきまないと便が出ない、便が残っていると感じるなどの排便困難を伴う可能性があります。
排便したときの状況を
チェックしてみよう!
最後に、排便したときの状況を振り返ってみましょう。以下の項目は排便困難感の具体例です。当てはまると「便秘症」と判断される可能性が高くなります。

・過度の怒責(いきみ)
お通じのときに強くいきむ必要がある状態です。「きばってもなかなか便が出ない…」と感じている方があてはまります。

・残便感
排便をしても、腸や肛門に便が残っている感覚がある状態です。「ウンチをしてもスッキリしない…」と感じている方があてはまります。

・頻回便
1回あたりの便の量が少なく、何度もトイレに行ってしまう状態です。コロコロとした硬い便が出る方に当てはまることが多いです。「さっきトイレに行ったのに、また行きたいなあ…」と感じている方があてはまります。

・排便時の肛門閉塞感
便が肛門に詰まっていると感じる状態です。「便が詰まっている気がするなあ…」と感じている方があてはまります。

まとめ
いかがでしたでしょうか。便秘症かどうかはお通じの回数だけでなく、排便したときの状況や便の形状などから総合的に判断します。
ここで紹介したことを参考に、「もしかしたら、私は便秘症かも…」と思ったら、早めにかかりつけ医・または最寄りの病院で診察してもらうことをおすすめします。
いしゃまち病院検索は、現在地や駅名を入力して検索すると、
便秘について相談できる病院を簡単に探すことができます。ぜひご活用ください。
関連記事
~便秘に関するお役立ち情報が満載~
便秘になってしまう原因やしくみについて解説しています。
近年、便秘の新薬が続々と登場して便秘治療に明るい兆しが見えています。
これからの新しい便秘治療薬と便秘薬の選び方について、医師が徹底解説しています。
チェック項目に回答すると、問診票が作成されます。
その問診票をスマホやタブレットで医療機関に提示すると、診察時の役に立ちます。

- 監修
-
横浜市立大学附属病院
中島 淳 先生
横浜市立大学大学院医学研究科・肝胆膵消化器病学教室 主任教授、診療科部長。医学博士。
1999年から2001年までハーバード大学客員准教授を務め、腸管免疫の研究にあたる。医療従事者向けの「慢性便秘症診療ガイドライン」作成メンバーとして尽力し、海外の便秘薬や最先端治療に精通。
※2022年12月現在の情報です。