明日からできる!こどもの便秘解消法

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目次

    明日からできる解消法!

    次の解消法の中で、お子さんの便秘の原因にあった、無理のない解消法からためしてみましょう。
    これらの生活習慣の改善をおこなってみても便秘がよくならない場合は、一度医療機関に相談してみましょう。

    1 規則正しい生活

    ウンチをする時間をつくってあげる

    十分な睡眠と早寝・早起きを心がけ、できるだけ、朝食後にトイレに座る時間をつくりましょう。(トイレに座るのは長くても3分程度

    いっしょにTry!

    • 朝、起きてから家を出るまで1時間の余裕をもてるように起きる
    • 未就学児~小学生では8-10時間程度の睡眠をとる

    タイムテーブルをつくってみよう

    便秘予防と健康のためには、「睡眠」「食事」「ウンチ」「運動」の4つを適切な時間に行うことが大事です。
    1日のスケジュールを「タイムテーブル」に書き足して実行すれば、かんたんに規則正しい生活リズムが身につきます。
    タイムスケジュール(見本)

    2 食事

    バランスよく、好き嫌いなく、たくさん食べることが大切

    ウンチの素が不足しないよう、量をしっかりとることが大切です。
    無理に嫌いなものを食べるよりも、楽しくおいしく、たくさん食べることから始めてみましょう。

    いっしょにTry!

    • 3食の食事をできるだけ決まった時間にする
    • 乳酸菌飲料やヨーグルトなどは腸によいものですが、そればかりのようなかたよった食事はさけ、バランスよく食べる
      こどもの成長には、たんぱく質などが大切です。)
    • 下のコラムの中から好きな水溶性の食物繊維をとる
    • 果物や、“ブラン”が入っているシリアル、白いご飯に雑穀や玄米をまぜたりして、食物繊維を手軽にとる
    • お菓子ばかり食べる子には、おやつを果物やおにぎり、芋類に変える
    監修:中野美和子先生

    食物繊維の豆知識

    食物繊維には不溶性水溶性があり、人間の消化酵素で分解されないため、ウンチの素になります。

    また水溶性の食物繊維は、乳酸菌やビフィズス菌などの腸内細菌を増やす効果があると考えられています。
    食物繊維をとるのに適した食材は、雑穀、野菜、海藻、果物、芋類、豆類です。

     

    納豆とめかぶのイラスト

     

    監修:中野美和子先生

    3 運動

    屋外で体を動かしてたくさん遊ばせる

    体を動かすことは、腸の動きを活発にして便通をよくします。
    軽い運動でよいので、日ごろからやってみましょう。

    4 水分

    こまめに水分補給を

    水分はこどもにとって、とても大事です。
    日ごろから水分をあまりとっていない子は、水分不足にならないように気をつけましょう。

    5 がまんしない

    トイレをがまんしない、がまんさせない

    排便をがまんすることが多いと、便秘が悪化しやすくなります。
    がまんさせず、トイレに行かせるようにしましょう。

    いっしょにTry!

    • ふだんから、こまめに水分をとるくせを付ける
    • 体を動かしてたくさん遊ぶ。気軽に散歩する
    • 体を動かしたら、脱水にならないようにしっかりと水分をとる
    • とくにたくさん汗をかく夏場は、しっかりと水分をとる
    ※大人用の市販のスポーツ飲料は塩分や糖分が多いため、こどもの発汗時の飲料としてはすすめられません。飲ませる場合には経口脱水補正液やスポーツ飲料を薄めたものなどがよいでしょう。

    どうしてもおなかがすっきりしないときには?

    食事や生活習慣を改善しても便秘の症状がなくならない場合は、薬による治療を行うことがあります。

    便をやわらかくする薬

    便をやわらかくすることで、排便時の痛みの軽減も期待できます。
    浸透圧性下剤という種類の薬がこどもによく使われます。また、学童期以降では、膨張性下剤が使われることもあります。

    浸透圧性下剤
    浸透圧によって腸内に水分をひき込み、便をやわらかくします。

     

    膨張性下剤
    水分を吸収させて便をやわらかくし、また便の量も増やします。

    大腸を動かす薬

    大腸のぜん動運動(便を肛門のほうへ移動させる動き)をひき起こし、排便しやすくします。
    刺激性下剤は、浸透圧性下剤を使っても便秘の症状がなくならない場合に用いられることがあります。

    刺激性下剤
    大腸を直接刺激して、大腸のぜん動運動をひき起こします。

    坐薬、浣腸

    腸(直腸)にたまった便を出すために、一時的に使われることがあります。

    漢方薬

    大腸の動きを整える作用がある漢方薬が使われることがあります。
    直腸に便がたまっていない状態になっていれば、多くの場合、「浸透圧性下痢」で治療を開始して、便がたまらないようにします。

    記録をつけてみよう!

    まずは、お子さんの排便状態を知ることが大切です。
    排便日誌」をつけると排便状態を把握しやすくなります。
    日ごろ忙しくて、排便状態までみてあげられないときには、お子さんにもシールを貼らせるなど一緒に参加させると、本人の自覚も高まります。

    日誌は、受診のときに医師に見せましょう。

    排便日誌(見本)
    病院のイラスト

    便秘でお困りの方は、
    医師に相談しましょう

    ご自宅や職場付近の病院を
    簡単に探すことができます

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    監修者(中野先生)

    監修

    学校法人神戸学園 理事・校長 中野 美和子 先生 

    慶応義塾大学病院、国立小児病院(現:国立成育医療研究センター)などを経て、さいたま市立病院小児外科部長。昨年退職し、現在は非常勤で外来を行っている。排便障害を持つ外科疾患の排便管理と合わせ、一般の小児慢性機能性便秘症、特に難治例の治療に携わる。
    ※2025年7月現在の情報です。

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